2022.08.07
共有持分放棄とは?登記方法を解説します!
不動産の共有名義は、売買・賃貸・リフォームの際に共有者全員の許可がいるため、トラブルの原因になるでしょう。
共有名義を解消するためには、共有持分の売買、共有している不動産を売却して売却益を分配する方法が主流です。
他にも、持分を自主的に放棄する方法もあります。
今回は、共有持分放棄について解説します。
□共有持分放棄とは?活用方法も解説します!
共有持分放棄とは、共有している不動産の持分を自ら放棄することです。
売却とは異なり、共有者間で金銭の授受はありません。
放棄された持分は、残りの共有者に分配されます。
ただし、共有者全員に等しく分けられるのではなく、それぞれの持分の比率に応じて分配されます。
自身は共有状態から解放されますが、権利を失うため、不動産を売却した際の売却益は受け取れません。
無償で持分を放棄するため、この方法を利用して共有名義を解消される方は少ない傾向があります。
持分放棄は、共有者が亡くなった際に相続人がいない場合のような、特別な場合でなければ利用されるケースは少ないです。
また、不動産が農地の場合、持分の名義変更には手続きが必要です。
持分放棄であれば手続きが不要のため、農地の共有状態を早く解消したい場合にも利用されます。
□放棄しても不動産登記は必要?手続きの流れを解説します!
持分登記では持分の名義が変わるため、登記を書き換える必要があります。
放棄しただけで登記内容は変わらないため、登記を書き換える手続きを忘れないようにしましょう。
持分放棄に対して、共有者の許可は必要ありませんが、登記の際には共有者の許可が必要です。
放棄する人は、権利証や印鑑証明書、その他複数の資料を集めた上で、手続きを開始します。
放棄する場合でも、税金がかかる場合があります。
その理由は、放棄した持分は残りの共有者に帰属するため、これを贈与だと捉えられる可能性があるからです。
贈与とみなされると贈与税がかかるデメリットがありますが、その一方で所有権の転移が容易であることがメリットとして挙げられます。
放棄と贈与は、取得費用や持分の取得時期に違いがあるため、共有者全員にとって適切な方法を選べると良いでしょう。
□まとめ
今回は、共有持分放棄について解説しました。
活用方法はあまり多くない共有関係の解消法ですが、特定のケースでは役に立つ方法です。
放棄と贈与のどちらが良いか、放棄する人と他の共有者で話し合うと良いでしょう。
共有持分放棄について知りたい方は、本記事を参考にしていただけると幸いです。