2024.05.16
相続不動産売却と税金:知っておくべき税金の種類と節税のポイント
実用的な考えをお持ちの方にとって、これらの税負担を少しでも軽減したいというニーズは当然のことでしょう。
本記事では、相続不動産売却の際にかかる税金の種類と計算方法、そして節税のポイントについて詳しく解説します。
相続財産の効率的な管理に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
□相続不動産売却時にかかる税金の種類
相続した実家などの不動産を売却する際、以下の3種類の税金が発生します。
1:印紙税
不動産売買契約書の作成時にかかる税金で、契約金額に応じて段階的に税額が設定されています。
例えば売買代金が4000万円の場合、1万円の印紙を契約書に貼付・消印する必要があります。
節税のため、正本1部に印紙を貼付し、残りはコピーを使用するのが一般的です。
2:譲渡所得税
不動産の売却益に対してかかる国税です。
所得税の総合課税の対象となり、他の所得と合算して税額が決まります。
3:住民税
譲渡所得税と同じく売却益にかかる税金ですが、こちらは地方税になります。
住民税も所得に応じて税率が変わる仕組みです。
譲渡所得税と住民税の税額は、以下の手順で計算します。
1:収入金額(売買代金+未経過固定資産税等の精算金)を算出
2:取得費(購入代金+購入手数料+登記費用等)を算出
3:譲渡費用(仲介手数料、測量費等)を算出
4:特別控除(居住用財産の3,000万円控除等)を差し引く
5:譲渡所得=1-(2+3+4)で計算
6:所得税率を乗じて譲渡所得税を算出
7:個人住民税率を乗じて住民税を算出
建物を売却する場合は、取得費から築年数に応じた減価償却費を差し引く必要もあります。
収入や費用の把握を適切に行い、売却益を正確に算出することが肝要です。
□相続不動産売却と確定申告
相続した不動産の売却で譲渡所得が発生した場合、確定申告が必要となります。
申告の要否は以下のように判断します。
1:譲渡所得の計算をする
売却価額 -(取得費+譲渡費用)=譲渡所得
2:算出した譲渡所得で判断
プラス → 原則、確定申告が必要
マイナス→ 原則、確定申告は不要
3:所得税の還付を受ける場合
譲渡損失が出ても、他の所得と通算して税金の還付を受けられるケースでは確定申告が必要
4:3,000万円特別控除の適用を受ける場合
被相続人の居住用財産を相続後、一定期間内に売却した場合、最高3,000万円までの特別控除が受けられるため確定申告が必要
このように、相続不動産の売却では税金面の確認事項が多岐にわたります。
確定申告の要否判断においても、単に売却益の有無だけでなく、他の所得や特例適用の有無まで考慮しなければなりません。
不動産売買や税務に詳しい専門家に相談し、適切な申告手続きを踏むことをおすすめします。
□まとめ
相続不動産の売却時には、印紙税、譲渡所得税、住民税の3つの税金がかかります。
売買契約書の作成の際は印紙税の発生に注意が必要です。
譲渡所得税と住民税は売却益に対する税金で、収入金額から取得費と譲渡費用等を差し引いて計算します。
売却益が出た場合は原則として確定申告の義務が生じますが、3,000万円特別控除など、所得税の還付が受けられるケースもあります。
相続不動産売却の税務は専門的で複雑な内容が多いため、経験豊富な専門家のアドバイスを仰ぐと安心です。
効率的な相続財産管理のためにも、税金の基礎知識を身につけ、適切な納税手続きを心がけましょう。