2025.12.16
司法書士が相続でできることとは?依頼のメリットと注意点を解説
相続が発生すると、多くの手続きが必要になります。遺産分割や不動産の名義変更など、専門的な知識や煩雑な作業が伴う場合、誰に相談すれば良いか迷うこともあるでしょう。特に、相続登記の義務化など、近年手続きも変化しています。このような状況で、司法書士がどのようなサポートを提供できるのか、その役割やメリットについて理解を深めることは、円滑な相続手続きを進める上で非常に重要です。
目次
相続で司法書士ができること
1.相続人の調査と名義変更
相続が発生すると、まず相続人の調査を行い、戸籍謄本などを収集して誰が相続人であるのかを正確に確定させる必要があります。この作業は、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を遡って確認するなど、専門的な知識と多くの手間を要します。また、相続した不動産の名義を亡くなられた方から相続人へと変更する相続登記も、司法書士が専門的に扱う業務の一つです。2024年4月からは相続登記が義務化されており、期限内に手続きを行わないと過料が科される可能性もあります。
2.遺産分割協議書作成を代行
相続財産の分け方について相続人全員で合意が形成されたら、その内容を明確に記録するための遺産分割協議書を作成します。司法書士は、この協議書の作成を代行することが可能です。ただし、遺産分割の内容そのものについて、司法書士が直接的な決定をサポートすることはできません。あくまで相続人同士で話し合って決めた内容を、正確な書面にするお手伝いをします。
3.法定相続情報一覧図を作成
相続手続きをスムーズに進めるために役立つものに、法定相続情報一覧図があります。これは、相続関係を図式化して法務局が証明する書類で、様々な手続きにおいて戸籍謄本などの束の代わりに提出できるため、非常に便利です。この一覧図の作成には専門的な知識と手間が必要となるため、司法書士に依頼して作成を代行してもらうことができます。
司法書士に依頼するメリットと注意点
1.時間と労力を節約できる
相続に関する手続きは、戸籍謄本の収集から各種申請書類の作成まで、多岐にわたります。ご自身で行う場合、これらの作業に多くの時間と労力がかかることがあります。特に、平日の日中に役所や法務局へ行くのが難しい方にとっては、司法書士に依頼することで、これらの煩雑な作業から解放され、時間と労力を大幅に節約できるという大きなメリットがあります。
2.できない業務も理解しておく
司法書士は相続登記や遺産分割協議書作成など多岐にわたる業務をサポートしますが、対応できない業務もあります。例えば、相続税の申告は税理士の専門分野であり、相続人間で深刻なトラブルが発生した場合の法的な交渉や訴訟代理は弁護士の業務となります。また、一部の官公庁への提出書類作成は行政書士の担当です。これらの業務については、司法書士では対応できないことを理解し、必要に応じて他の専門家への相談も検討することが大切です。
3.専門家を選ぶ際のポイント
相続手続きを司法書士に依頼する際には、いくつかのポイントがあります。まず、相続案件の実績が豊富であるかを確認することが重要です。また、初回の相談で、説明が丁寧で分かりやすいか、疑問点について気軽に質問できるかといった相性も大切です。
まとめ
相続が発生した際には、戸籍調査、相続財産の確定、不動産の名義変更(相続登記)など、様々な手続きが伴います。ご自身で行うことも可能ですが、時間と労力がかかる場合や、専門知識が必要となる場面も少なくありません。司法書士に依頼することで、これらの煩雑な手続きを効率的かつ正確に進めることができます。ただし、司法書士ができる業務とできない業務を理解し、ご自身の状況に最適な専門家を選ぶことが重要です。依頼する際は、費用についてもしっかり確認し、納得した上で進めましょう。
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