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2023.06.16

不動産の共有持分を放棄したい方へ!方法や注意点を解説!

不動産の共有持分を放棄したい方へ!方法や注意点を解説!

兄弟や親族で共有している財産を手放してしまいたいと思っている方は多いでしょう。
他の共有者との意見が合わないと、売却などの活動が制限されてしまいますし、経済的な負担も生まれます。
そこで本記事では、持分を放棄する理由について詳しく解説し、共有持分を放棄する方法を解説します。

 

□共有持分を放棄する理由とは?

どのような理由があって共有持分が放棄されるのでしょうか。
主な理由は「固定資産税を負担したくない」「使い道がない」「不動産の管理ができない」の3つです。
それぞれの理由を見ていきましょう。

1.固定資産税を負担したくない

共有持分を所有していると避けられないのが固定資産税です。
納税義務者の代表になっていて、納付書が送られてきたら納税する必要があります。
また、他の共有者が持分に応じて税金を負担してくれないと多額の税金を納める必要があります。
他の共有者との関係によって毎年請求するのが憂鬱になり、持分を手放してしまいたいと思ってしまうのは仕方がないでしょう。

2.使い道がない

不動産を活用する方法があり、収益があれば持分を放棄する必要はありません。
しかし、不動産が住んでいる地域から遠く離れている場所にあったり、どのように活用したらいいのかわからなかったりする場合、持分が放棄されることがあります。
使い道がない上に固定資産税を負担しなければならないとなると、手放す方が多くなる理由がわかっていただけるのではないでしょうか。

3.不動産の管理ができない

共有者の誰かが使用している不動産であれば、使用者がメンテナンスすることによって状態を保てますが、空き地や更地になってしまうと放置される可能性が高くなります。
不動産が放置されてしまうと、治安の悪化を招き、近隣の方に迷惑をかけてしまいます。
他人に迷惑をかけてしまうことを嫌って共有持分を放棄する方が増えています。

□共有持分をスムーズに放棄する方法を解説!

主に3つの理由から共有持分を放棄する方が増えてきていますが、放棄する際にはスムーズに共有持分を手放したいでしょう。
そこでここからは共有持分をスムーズに放棄する方法を解説します。
これらを知っておくと、手続きのスムーズさに大きな違いが生まれますので、ぜひ知っておいてくださいね。

まずは、持分を放棄する意思表示をしましょう。
持分を放棄する意思を伝える際は、あらかじめ他の共有者に対して口頭で意思表示することが大切です。
口頭で意思表示する前に内容証明郵便をいきなり送りつけてしまうと、受け取り側が不快に感じてしまう可能性があります。

その後のやり取りに支障が出てしまう可能性があるので、必ず口頭での意思表示をしてからにしましょう。
もし持分の放棄をめぐって訴訟に発展した場合、内容証明が裁判での証拠書類となります。
内容証明が適切でない場合、有効な証明として使えない可能性が高いため、注意してください。
内容証明郵便はご自身で送るのではなく、代理人として弁護士や司法書士に依頼することをお勧めします。

次に、移転登記を申請しましょう。
共有持分移転登記という手続きをしないと、共有持分を放棄したことにはなりません。
これは自分の持分を他人に移す名義変更のことです。

先ほどの意思表示は1人で行えますが、持分移転登記は他の共有者と一緒に手続きを進める必要があります。
手続きには登記申請書や固定資産評価証明書、印鑑証明や住民票などの書類が必要になります。

□放棄する際の注意点もご紹介!

ここからは共有持分を放棄する際の注意点についていくつか解説します。

*贈与税が発生する可能性がある

不動産の持分放棄をすると、共有者に贈与税が発生する恐れがあります。
持分は税法上では贈与とみなされるからです。
それによって、共有者が贈与税の課税対象者となってしまい、共有者に迷惑をかけてしまう可能性があります。
不動産の評価額によっては贈与税も高額になるため、早い段階から税理士に相談しておきましょう。

*建物か土地かによって贈与税の計算は異なる

建物は固定資産税評価額から、土地は路線価または倍率方式から計算されます。

まず、建物を手放す場合です。
建物の共有持分を放棄する際、税額は固定資産税評価額に持分割合をかけて計算されます。
この計算で金額が110万円を超えていれば、超えた額に対して税金が課税されます。

次に、土地を手放す場合です。
土地の共有持分を放棄する場合は、路線価もしくは倍率方式で求めた価格に持分割合をかけて計算されます。
路線価で定められている土地であれば路線価で計算し、路線価で定められていなければ倍率方式で計算します。

 

□まとめ

共有持分を放棄する方法を解説しました。
金銭的な理由、時間的な理由から共有持分を放棄することを検討している方が多くいらっしゃいます。
もしあなたも共有持分を放棄する予定であれば、今回ご紹介した大まかな流れと注意点を把握して、円滑に手続きを進めていってくださいね。

投稿者

  • 久保 元

    宅地建物取引士/管理業務主任者 新卒から建設会社にて、現場監督、注文住宅販売など建築にかかわり、宅建取得とともに不動産営業の世界へ。新築マンション販売では、入社から販売実績を重ね管理職へ昇進。営業マン指導、広告、マーケティング、デザインまで幅広い経験を経て三軒茶屋不動産を起業。地域の賃貸仲介や不動産管理、不動産売買を主たる業務として行い業績を伸ばしております。信頼ある不動産会社をめざして、お客様をサポートさせていただいております。