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2023.02.23

不動産売却をする際に必要な減価償却の計算方法について紹介します!

不動産売却をする際に必要な減価償却の計算方法について紹介します!

不動産売却をする際は、「減価償却費の計算」が必要です。
ただ、その計算方法は少し複雑であるため、減価償却費の計算を面倒に感じられるかもしれません。
しかし、減価償却費の計算は不動産売却において必ずしなければなりません。
今回は、減価償却費を計算する必要性と計算の流れについてご紹介します。

□そもそも減価償却とは何か

減価償却とは、資産の経費計上方法の1つです。
減価償却という概念が必要である理由は、資産は時間が経過するにつれて価値が減少していくからです。

例えば、今日購入した不動産と50年前に購入した不動産が持っている価値が異なることは、簡単に想像できると思います。
そこで、それらの価値の違いを考慮せずに、経費計算をしてしまうと、無駄に税金を払わなければならないことになるため、無駄な税金を払わないためにも減価償却という概念を把握しておくことは大切です。
今回の本題の「不動産における減価償却」ですが、不動産における減価償却の対象は「建物部分」のみです。
ここでは、土地は減価償却の対象に含まれないことに注意しましょう。
土地が減価償却の対象ではない理由は、土地は時間が経っても価値が減少しないからです。

無駄な税金を払わないようにするために、減価償却という概念は大切であるということを上記でご紹介しましたが、不動産売却の際に払うことになる税金は「譲渡所得」に対して課せられます。
譲渡所得とは、不動産の売却代金から不動産の所得費用を差し引いたものです。
そして、譲渡所得を計算する際に、減価償却費が必要になるため、次の章からは減価償却費の計算の流れについてご紹介します。

□不動産売却の際に必要な減価償却の計算の流れについて

まずは、不動産の取得費から計算を始めます。
前提として、不動産を購入した際に渡される売買契約書に土地代や建物の金額が記載されており、取得費が分かる場合は、当然ながら取得費を計算することは不要です。
仮に、取得費が不明である場合は、固定資産税評価額を元に計算しましょう。

次に、耐用年数を計算します。
耐用年数を計算する際は、不動産の法定耐用年数を確認しましょう。
具体的な法定耐用年数は以下の通りです。
・れんが造りは38年
・木造は22年
・鉄骨鉄筋コンクリートは47年
法定耐用年数を確認できたら、耐用年数を計算する段階に入りますが、ここで注意しておきたい点が、「築年数が法定耐用年数を超えているか否か」で計算方法が変わるという点です。
築年数が法定耐用年数を経過している場合の計算方法は以下の通りです。
耐用年数=法定耐用年数×0.2
一方で、築年数が法定耐用年数を経過していない場合の計算方法は以下の通りです。
耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2
続いて、耐用年数の計算ができたら、償却率を確認しましょう。
先ほど計算した耐用年数をもとに、「減価償却資産の償却率表」から償却率を見つけましょう。

最後に、減価償却費の計算をします。
減価償却を計算する際は、以下の2つの計算式を使用します。
定額法:建物の取得費×償却率
定率法:(建物の取得費-前年度までの償却費の総額)×償却率
前提として、「建物本体」と「建物設備」の減価償却は別々に計算する必要があるため、上記の2つの計算式を使い分ける形をとります。
減価償却を別々に計算する理由は、建物本体は減価償却の対象になる一方で、減価償却の対象にならない要素が建物設備に含まれているからです。
建物本体の減価償却を計算する際は、定額法しか適用できません。
また、建物設備の減価償却を計算する際は、定額法と定率法のどちらも適用できる場合がありますが、届出の提出が必要であるため、定額法で計算されることが一般的です。

□不動産売却をする際は減価償却費に注意しましょう

不動産売却をした際に支払う必要のある税金は、譲渡所得に課せられます。
また、譲渡所得は以下の計算式で算出されます。
譲渡所得=不動産売却代金-(取得費+譲渡費用)
上記に含まれる取得費の部分は、以下の式で算出されます。
取得費=不動産の取得価格+取得後の設備費や改良費-売却するまでの減価償却費
上記のように、不動産売却の際には、「譲渡所得」の計算が必要であり、その「譲渡所得」の計算には、「取得費」の計算が必要です。
そして、その「取得費」の計算には「減価償却費」が必要です。

そのため、不動産売却をご検討中の方は、必ず減価償却費と向き合う必要があります。
そこで今回は、減価償却費の計算の流れを上記でご紹介してきましたが、専門的な知識が必要な作業であるため、なかなかひとりで進めることは難しいかもしれません。
そのような場合は、専門家に相談することが良いでしょう。
もし不動産売却の基礎知識から聞きたいという場合は、お気軽に当社までお問い合わせください。

□まとめ

今回は、不動産売却の際に必要になる減価償却費の計算の流れについてご紹介しました。
減価償却費の計算は、不動産売却において非常に大切である一方で、複雑さも兼ね備えているため、ひとりで抱え込まないことが大切です。
もし不動産売却についてご不明な点やご相談等ございましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。

投稿者

  • 久保 元

    宅地建物取引士/管理業務主任者 新卒から建設会社にて、現場監督、注文住宅販売など建築にかかわり、宅建取得とともに不動産営業の世界へ。新築マンション販売では、入社から販売実績を重ね管理職へ昇進。営業マン指導、広告、マーケティング、デザインまで幅広い経験を経て三軒茶屋不動産を起業。地域の賃貸仲介や不動産管理、不動産売買を主たる業務として行い業績を伸ばしております。信頼ある不動産会社をめざして、お客様をサポートさせていただいております。