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2023.10.30

共有名義が原因で起こる不動産売却のトラブルの対処法を解説!

共有名義が原因で起こる不動産売却のトラブルの対処法を解説!

共有名義という言葉を耳にしたことはありますか。
聞いたことはあっても、その実態や取り扱いについて知っている方は少ないでしょう。
今回は、共有名義が原因で起こる不動産売却のトラブルと、それを未然に防ぐ方法について解説します。

□共有名義とは?

共有名義とは1つの不動産を複数の人が共同で所有している状態を指します。
共有名義は多くの場合、相続や結婚をきっかけとして成立します。
例えば、親から子への相続の際や、夫婦が共同で不動産を購入する際などにこの名義が選ばれることが多いです。

共有名義で不動産を所有する場合、その所有権の割合を示すものを共有持分と呼びます。
この共有持分は、取引時の価格や権利の行使に影響を及ぼします。
例えば、AさんとBさんが共有名義で不動産を所有している場合、Aさんが6割、Bさんが4割の持分を持っているとすると、売却時の収益や権利の行使もこの割合に基づいて行われます。
なお、共有持分は購入時の支払額÷不動産の購入代金の式で求められます。

共有名義には、共有者間の意見が合わない場合の対応が難しい点がデメリットとして挙げられます。
単独名義であれば1人の判断でできるものが、共有名義であると全員の判断や過半数の同意が必要になるケースがあるのです。
また、共有名義では共有名義者の中で死亡した方のローンは相殺されますが、他の共有者のローンは残ります。
一方、共有名義のメリットは、ローンを1人で組まなくてよいことです。
夫婦でペアローンを組めば、1人当たりの負担は減らせます。

□共有名義の不動産売却で起こるトラブルをご紹介!

共有名義の不動産売却で起きたトラブルの例を3つご紹介します。

1.家族や親族と共有名義にしたことで起きたトラブル
共有名義の不動産の売却には、共有者全員の同意が必要です。
親の遺産を相続する際に、いったん売却せずに不動産を共有名義で相続することになったが、年月がたっても売却の同意が得られず、そのままになっているケースがあります。
家族が不仲である場合は、話し合いが何年も進まないかもしれません。

2.夫婦で購入した不動産のトラブル
結婚を理由に共有名義で不動産を購入したが、離婚した際に不動産トラブルが発生する場合があります。
また、共有名義の不動産を担保にしてお金を借りていた場合もトラブルに発展しやすいです。
離婚してそれぞれが新しい道を進めるように、トラブルをそのままにせずしっかり話し合いましょう。

3.不動産を売却した収益のトラブル
共有名義の場合、誰がどの不動産を管理しているか、誰が住んでいるかによって、金銭トラブルが発生する場合があります。
親戚が共有名義の不動産に住んでいるにもかかわらず家賃を払ってくれなかったり、親戚が収益不動産を管理していて、収益の配分を受けられなかったりすることも考えられます。
このような共有名義のトラブルを残してしまうと、負の遺産が自分の子供や孫にも受け継がれてしまいます。
トラブルが起きている場合は、心理的ストレスを解消するためにも、早めにトラブルを解消しましょう。

□共有名義が原因で起こる不動産売却のトラブルを未然に防ぎましょう!

共有名義が原因で起こるトラブルは、対策を講じることで未然に防げます。
その方法を2つご紹介します。

*遺産分割時の共有を避ける

相続時には、不動産を共有名義で持たない方法を選ぶのがおすすめです。
相続する不動産を相続人の1人が引き取り、他の相続人に相応の資金を分配する方法があります。
不動産をそのままほしい人がいるならば、この方法を選ぶと良いでしょう。

その他にも、相続した不動産を売却し、その売却代金を相続人全員で均等に分配する方法があります。
この方法は平等にお金を得られるため、トラブルになることが少ない傾向にあります。

これらの方法を利用することで、将来的に共有名義に起因するトラブルを減少できます。
また、資産の価値が明確になるため、分割もスムーズにできるでしょう。

*共有物分割請求の活用

共有物分割請求とは、他の共有者に共有状態を解消させてほしいと申し出ることです。
共有名義の不動産が既に存在する場合、共有物分割請求を活用することで、共有状態を早期に解消できます。
共有物分割請求は、3つの種類に分けられます。

1.現物分割
現物分割とは、不動産を現物のまま分割することです。
不動産を換金せずに、現物のまま分割するので、不動産が土地の場合によく利用されます。

2.代償分割
代償分割とは他の共有者に売却したり、他の共有者の持分を買取ったりして、不動産名義を1つにする方法です。

3.換価分割
換価分割とは、共有名義の不動産をすべて売却し、その利益を分け合う方法です。

□まとめ

共有名義の不動産は、不動産売却時に金銭トラブルの原因になることが多いです。
しかし相続時に共有名義で相続しないことや、共有名義にしていても、共有物分割請求を活用することでトラブルを未然に防げます。
共有名義の不動産をお持ちの方は、今回の記事を参考にして、安心して不動産売却をしてください。

投稿者

  • 久保 元

    宅地建物取引士/管理業務主任者 新卒から建設会社にて、現場監督、注文住宅販売など建築にかかわり、宅建取得とともに不動産営業の世界へ。新築マンション販売では、入社から販売実績を重ね管理職へ昇進。営業マン指導、広告、マーケティング、デザインまで幅広い経験を経て三軒茶屋不動産を起業。地域の賃貸仲介や不動産管理、不動産売買を主たる業務として行い業績を伸ばしております。信頼ある不動産会社をめざして、お客様をサポートさせていただいております。