2023.04.26
共有名義の不動産を売却する際に必要な委任状について
持っている不動産や物件。
これらを売却する「不動産売却」をする機会は人生においてあまり多いものではないでしょう。
今回は、共同名義の不動産を売却したいが、どうしたら良いのか分からないという方々に焦点を当てて共有名義の不動産を売却する際に必要な委任状の概要や書き方、注意点などについて紹介します。
目次
□委任状ってなに?
委任状とは、代理人に代理権があることを証明するための書類です。
代理人は本人に代わって法律行為ができるため代理人が行った法律行為の効果は本人に及びます。
その法律行為の中に不動産売却が含まれます。
つまり、Aさんの代理人として代理権がBさんに与えられた場合、BさんはAさんの不動産を売却できるのです。
代理人には「法定代理人」と「任意代理人」の2種類があります。
「法定代理人」とは、成年後見人や未成年者の親権等の法律で定められた代理人のことです。
一方で、「任意代理人」とは誰でもなれる、法定代理人以外の任意で委任された代理人です。
□不動産売却する際の委任状の書き方と注意点である6つのこととは?
1.委任状には指定の書式がない
委任状には指定の書式がないため、本人と代理人の氏名と住所・委任内容が記載され、押印がなされている場合、内容に関わらず委任状として成立します。
そのため、不当な委任事項を記載した委任状に判を押してしまうこともあるため、委任状の記入を頼まれた際には記載事項を全て確認し、おかしな点がないかを確認してから記入しましょう。
さらに、委任状の内容に不備・不測があった場合には必ず追記した上で押印してください。
2.委任する内容は限定して明記する
委任状による代理人は本人同様の権限を持つため委任する事項を限定しないと、なにをされても文句を言えない状況に陥ります。
そのため、委任状には必ず、細かな委任事項を明記するようにしましょう。
特に不動産売却の委任状の場合には、「売却する不動産の表示項目(登記事項証明書の表記に従う)・不動産の売却条件(売買金額)・不動産の手付金の金額・不動産の引き渡し日・不動産の残代金支払日・支払い口座・売買契約の解除期限と解約金・固定資産税の負担割合・所有権移転登記を日付・委任日・委任状の有効期限」は記載するべきです。
3.委任状の最後に「以上」と記載する
任意事項の終わりを示し、第三者による追記を防ぐために必ず最後に「以上」と記載するようにしましょう。
4.曖昧な表現を用いない
限定的でない委任事項の記載は代理人の権限を広げてしまうことや、代理人の自己判断によって本人の望まない条件での不動産売却に繋がることがあるので「すべて」や「一切」などの曖昧な表現は用いないようにしましょう。
5.押印は実印を用いる
委任状の押印には印鑑の指定はありませんが、シャチハタや三文判などは契約相手に不安を感じさせる恐れがあるため実印で押印するようにしましょう。
6.捨印は押印しない
捨印とは文書の余白に判を押し、訂正がある場合に訂正印として使えるようにしておくものを指します。
捨印を押印してしまう代理人が委任事項の変更を自由にできてしまうため、委任状に捨印を押さないのが原則です。
□代理人が共有名義の不動産売却する流れって?
代理人が共有名義で不動産売却する際は売却準備をしっかりとしてから売却することでスムーズに取引できます。
*不動産売却までの準備事項4つ
1.共有名義の把握
売却する不動産が相続によって複数の相続人で共有している場合は誰が共有名義人なのか曖昧になっているケースがあります。
そのため、まずは売却する不動産の共有名義人は誰なのかを「登記事項証明書」で把握する必要があります。
2.不動産売却価格の決定
不動産売却を始める前におおまかな希望価格を設定してから不動産会社に査定してもらい決定しましょう。
不動産会社なら、市場の動向などを適切に判断し、確実に売却できる価格を算出できます。
当社でも不動産売却の仲介を行なっており、一人ひとりのお客様の立場になって考え、不動産のプロとして最適なご提案をさせていただきます。
3.代理人を選定し、委任状の作成
希望価格が決まると、実際に売却活動を進めていきます。
そうすることによってコミュニケーションが容易になり、共有名義人が契約に立ち会えなくなってしまい契約を結べなかったというトラブルも防げます。
4.必要書類を揃える
不動産売却では「登記識別情報(登記済証)・土地測量図・境界確認書・委任状・共有名義人全員と代理人の実印と印鑑登録証明書・共有名義人全員と代理人の住民票・共有名義人全員と代理人の身分証明書」が必要のため揃えましょう。
*実際の売却の流れ
一般的に、不動産売却では不動産会社と媒介契約を結び、仲介してもらいます。
次に、買主との売買契約を結び、契約を締結します。
この時に全ての内容を書面位かく残しておきましょう。
その後、日程を調節して決済と引き渡しをします。
これが無事に終わったら抵当権抹消登記の手続きをしましょう。
最後に分配されたお金は譲渡所得税が課せられるため、必要に応じて確定申告をおこない納税しましょう。
これは税理士以外、代理人を立てることができないため注意しましょう。
□まとめ
今回は、不動産売却に必要な委任状から売却の流れを紹介しました。
不動産売却するときに必ず本人が立ち会えるとは限りません。
このような時に委任状を作成することで代理人に代行してもらえます。
何か不動産売却で不安や疑問がある方は不動産会社に相談することが大切です。