2023.09.23
持分を放棄するにはどうすればいい?注意点をご紹介!
持分を放棄するにはどうすればよいか分からず、お困りの方も多いのではないでしょうか。
持分を放棄するには、様々な注意点が存在します。
そこで今回は、持分を放棄するための方法や実際に放棄する際の注意点、デメリットについてご紹介します。
目次
□持分を放棄するにはどうする?
*持分を放棄する意思表示をする
まず、他の所有者に対して持分放棄の意思表示を口頭で行います。
その後、口頭のみでは放棄の効力が弱いため、意思表示の事実を残すために内容証明郵便を利用し、他の所有者に再度意思表示を行います。
ただし、内容証明の内容が適切ではなかった場合、持分の放棄について訴訟に発展した際に有効な証拠として使用できないこともあるため、内容証明は代理人や弁護士、司法書士に依頼して郵送するようにしましょう。
また、初めから内容証明郵便を送ってしまうと、受け取ったほかの所有者があまり良いイメージを持たず、不快に感じてその後の話し合いが円滑に行われない可能性が考えられます。
なるべく書類を郵送する前に、口頭での意思表示を行うようにしましょう。
*共有持分移転登記の申請
共有持分移転登記とは、自分の持分の権利を他の人へ移す際に行う名義変更のことを指します。
共有持分移転登記を行う際は、登記申請書・登記原因証明情報・登記識別情報・固定資産評価証明書・登記権利者の住民票・登記義務者の印鑑証明の書類を法務局へ提出します。
代理人が申請を行う際は、これらの書類の他に委任状も作成する必要があります。
□持分を放棄する際の注意点について
1.相続放棄した場合、共有持分のみの放棄はできない
相続放棄をすると相続人ではなくなるため、遺産分割に参加する必要はありません。
相続したくない財産がある場合、家庭裁判所で一定の手続きを踏むことで相続を放棄できます。
ただし、相続したくない一部の不動産のみ相続放棄することはできないため、注意が必要です。
2.共有持分売却を検討する
共有持分を手放す方法には、放棄以外に専門の会社に売却する方法があります。
共有持分放棄の場合、他の所有者に登記をするための協力を要請する必要があります。
しかし、専門の買取会社に売却する方法だと、会社が他の所有者との交渉や権利の調整を行ってくれるため、他の所有者と関わることなく持分を手放せます。
加えて、専門の買取会社から買取金額を直接受け取れるため、非常に便利な方法です。
3.分譲マンションの注意点
分譲マンションでは、建物部分と敷地の利用権が一体となっているため、建物部分のみの持分放棄や敷地の利用権のみの持分放棄はできない仕組みになっています。
したがって、建物部分もしくは敷地の利用権のどちらかを放棄した場合、同時にもう片方の持分も放棄することになるのが一般的ですが、全ての分譲マンションがそうなるとは限らないため必ず確認するようにしましょう。
特にマンションが古い場合は、建物部分と敷地利用権が別々に登記されていることがあります。
このような場合は、建物部分の持分放棄と敷地利用権の持分放棄の両方が必要です。
□共有持分権のデメリットとは?
1.共有者の独断で売却することが不可能
共有状態にある不動産は個人の独断により売却することはできず、必ず共有者全員の合意のもと売却を進める必要があります。
したがって、1人でも反対している人がいる場合や、そもそも連絡ができなかった場合は売却できません。
共有者は不動産を自由に利用できますが、売却は個人で自由にできるものではないのです。
2.共有持分が相続されると権利関係が複雑化する可能性がある
複数人で財産を相続する場合、権利関係が複雑化してしまいます。
したがって、特に共有者の孫や子供に共有持分が相続された場合、そもそも所在が分からず連絡がつかないといった状況が起こり、不動産の管理や売却が難しくなってしまいます。
3.共有者が借入する場合、共有不動産を担保にできない
不動産を担保にするためには不動産の売却時と同様、共有者全員の合意が必要です。
共有者が一人でも合意しなかった場合、共有持分である不動産を担保にすることはできません。
4.不動産を賃貸に出すとき賃借人との契約を自由に変更できない
不動産を賃貸に出す際、賃借人との契約変更が自由にできない不動産が賃貸に出された場合、契約内容の決定、変更などについては共有者の過半数の同意が必要です。
賃貸不動産を一人で管理していたとしても、共有者が複数人の場合は独断で契約内容を変更することはできません。
□まとめ
持分を放棄するためにはまず、持分を放棄する意思表示を行いましょう。
口頭で意思表示を行った後、弁護士や司法書士を通して内容証明郵便を郵送します。
共有持分移転登記を行う際、登記申請書・登記原因証明情報・登記識別情報・固定資産評価証明書・登記権利者の住民票・登記義務者の印鑑証明の書類を法務局へ提出する必要があります。
代理人が代わりに登記を行う場合は、これらの書類に加えて委任状も必要になるため、忘れずに準備しましょう。