2026.06.05
相続した住まない実家どうする?リスク回避と活用法を解説
親御さんが亡くなり、遺産相続の手続きを進める中で、住む予定のない実家の扱いに悩むケースは少なくありません。
これまで住み慣れた家であっても、相続するとなると、税金や維持管理といった新たな負担が生じる可能性があります。
将来にわたって負担を抱え込まず、穏やかな相続とするためには、どのような選択肢があるのか、早い段階から理解を深めておくことが大切です。
今回は、住まない実家を相続する際のリスクや、その対処法、活用方法について解説します。
目次
住まない実家を相続するリスクは
住む予定のない実家を相続する際には、いくつかのリスクが伴います。
主なものとして、経済的な負担や、物件が適切に管理されなかった場合に生じる問題が挙げられます。
1.税金や維持管理費の負担
実家を相続すると、まず相続税がかかる可能性があります。
遺産総額が基礎控除額を超える場合、相続税の申告・納付が必要となります。
また、相続した不動産には、毎年固定資産税と都市計画税が課税されます。
たとえ空き家であっても、1月1日時点で所有者であれば納税義務が生じます。
さらに、家屋の維持管理には、水道光熱費の基本料金、庭の手入れ、建物の修繕費用などが継続的に発生します。
遠方に住んでいる場合などは、管理を専門業者に委託する費用も考慮しなければなりません。
2.特定空き家指定の恐れ
誰も住まずに適切に管理されていない実家は、老朽化が進み、倒壊の危険性や衛生上の問題、景観を損なう状態などから、自治体によって「特定空き家」に指定される恐れがあります。
特定空き家に指定されると、固定資産税の軽減措置(住宅用地に対する特例)が適用されなくなり、税負担が大幅に増加することがあります。
さらに、改善勧告に従わない場合は、行政代執行による強制的な解体措置が取られる可能性もあり、その費用負担を求められることもあります。
実家を相続しないための対処法は
住む予定のない実家を相続することになった場合、相続放棄や、生前のうちに手放すといった方法が考えられます。
ご自身の状況や実家の状態に合わせて、最適な方法を選択することが重要です。
1.相続放棄で権利を放棄する
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産(プラスの財産もマイナスの財産もすべて)を相続しないことを選択する手続きです。
相続放棄をすれば、実家にかかる固定資産税や維持管理費の負担から解放されます。
また、遺産分割協議に参加する必要もなくなり、相続手続き全体から関与しなくて済みます。
ただし、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があり、一度行うと撤回はできません。
2.生前売却や活用で手放す
親御さんが健在なうちに、実家を売却したり、賃貸に出したりして手放すという方法もあります。
親御さん自身が住み続ける必要がなくなった場合、リフォームや解体にかかる費用を親御さんの財産から支出することで、相続財産を減らし、結果的に相続税を節税できる可能性もあります。
また、親御さんの意向を確認しながら、時間をかけて売却活動や活用方法を検討することができます。
将来的に利用する見込みのない土地については、相続登記が義務化される前に、相続土地国庫帰属法を利用して国に引き取ってもらうという選択肢も、一定の要件を満たせば可能です。
住まない実家を相続したらどう活用する
相続した実家をすぐに手放すことが難しい場合や、何らかの形で活用したいと考える場合は、いくつかの方法が考えられます。
現状の建物を活かす方法や、土地としての価値を高める方法などがあります。
1.賃貸経営や駐車場経営
実家を賃貸物件として活用する方法です。
建物の状態が良ければそのまま、あるいはリノベーションして古民家風の賃貸物件とするなどの方法が考えられます。
毎月の家賃収入を得ることができますが、固定資産税や維持管理費、管理会社への委託費用などは継続して発生します。
一方、駐車場経営は、初期投資を抑えやすく、土地の形状を選ばないため、狭小地や変形地でも活用しやすい方法です。
売却や土地の利用転換も比較的容易です。
2.寄付や空き家バンク利用
物件の条件が悪く売却が難しい場合、自治体や町内会などの地域団体、あるいは近隣の個人や法人に寄付するという選択肢もあります。
ただし、寄付先が見つかるかは物件の状況によります。
また、地方の実家など、一般市場での流通が難しい物件の場合は、自治体が運営する「空き家バンク」的活用も有効です。
空き家バンクは、物件の貸したい・売りたい人と借りたい・買いたい人をマッチングするサービスで、移住希望者などからの需要が見込めます。
まとめ
住む予定のない実家の相続は、税金や維持管理費の負担、特定空き家への指定など、様々なリスクを伴います。
相続放棄や生前の売却・活用といった選択肢を検討し、負担となる相続を避けることが重要です。
もし相続することになった場合でも、賃貸経営、駐車場経営、寄付、空き家バンクの利用など、状況に応じた活用方法があります。
ご自身の状況や実家の状態を把握し、必要であれば不動産会社などの専門家にも相談しながら、後悔のない選択をすることが大切です。



