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2022.11.30

相続の手続き期限を過ぎてしまったら?各手続期限を詳しく解説します!

相続の手続き期限を過ぎてしまったら?各手続期限を詳しく解説します!

テレビドラマや映画などで遺産相続についての話し合いを何度も何度もするシーンをよく見ますが、実際、遺産相続協議はあまり時間をかけられないものです。今回は、相続手続きの各期限についてと、もし期限が過ぎてしまったらどのようなことが起こるのかについて解説します。ぜひ参考にしてください。

 

□期限がある相続手続きとは?

法律上、相続は被相続人の死亡をもって開始すると定められています。相続の開始を基点に、その後の相続手続きの期限も正確に定められているので、しっかりと確認しましょう。ここでは、期限がある相続手続きを期限ごとに紹介します。

 

1. 3か月以内

3か月以内にやることは、遺言書の有無の確認と相続人の確定、相続方法の選択です。相続方法について、相続人は3つの方法から選択できます。まず、相続したくない場合は「相続放棄」を選択します。相続放棄は、被相続人の権利や義務を放棄し、財産を相続しない方法で、放棄する相続人単独で行えます。

一方で、相続したい場合は「単純承認」または「限定承認」を選択します。単純承認は、被相続人の財産をそのまま相続するため、負債がある場合は負債も相続することになります。それに対して、限定承認は、自分に利益がある範囲で財産を相続できる方法です。単純承認と限定承認は、相続人全員で申し立てする必要があります。3か月以内に申し立てしなかった場合、単純承認したとみなされるので気を付けましょう。

 

2. 4か月以内

4か月以内にやることは、被相続人の所得税の準確定申告です。被相続人の死亡した年の確定申告を相続人が行います。

 

3. 10か月以内

10か月以内にやることは、財産と債務の調査並びに確定と評価、遺言書がない場合の遺産分割協議と協議書の作成、そして相続税申告です。相続税は、最低3000万円の基礎控除額を超える場合に発生する税金で、被相続人の居住地の税務署に申告します。遺産分割が確定しないと計算できないため、遺産分割協議が長引いた際はすぐに相続税の計算、申告をする必要があります。

 

4. 1年以内

1年以内にやることは、遺留分侵害額請求です。遺留分とは、法定相続人が相続できる最低限度の相続分のことです。法定相続よりも遺言が優先されるため、遺言に従った場合に法定相続人としての利益を侵害されてしまうこともあります。その場合に備えて遺留分が設定されており、遺留分侵害請求によって遺留分を侵害している人に対して遺留分の財産を請求できるのです。

 

5. 2~3年以内

2年以内に死亡一時金の受取請求、3年以内に死亡保険金の受取請求をする必要があります。死亡一時金は、被相続人が第1号保険者として36月以上保険料を納めていた場合、遺族に支給される年金のことです。死亡保険金は、保険会社で生命保険に加入している場合に受け取れます。どちらも期限を過ぎると、受け取れなくなるので気を付けましょう。

 

□期限がない相続手続きとは?

以上で期限がある相続手続きを解説しましたが、一方で期限がない相続手続きも存在します。期限はありませんが、トラブルの原因にもなりやすいので早めに手続きしましょう。

 

1. 預貯金等の解約または名義変更

被相続人の預金口座は、金融機関が死亡を把握した時点で凍結されます。口座の凍結によって預金引き出しが不可能になります。凍結解除には、名義変更が必要です。預金の相続先が決まり次第、早く名義変更を手続きしましょう。名義変更には、印鑑証明書や戸籍謄本などが必要です。

 

2. 不動産の相続登記

被相続人所有の不動産も相続先が決まり次第、登記しなければなりません。期限の定めはありませんが、不動産登記はトラブルになりやすいので早く登記を済ませましょう。相続登記には、相続登記申請書、固定資産評価証明書、戸籍謄本などが必要です。

 

□もし手続きの期限が過ぎてしまったら?

相続手続きには、それぞれ明確に期限が定められています。では、この期限を過ぎてしまった場合どうなるのでしょうか。

 

*自動的に決まる場合

3か月以内に選択しなくてはならない相続方法は、期限を過ぎると自動的に単純承認になります。マイナスの財産のほうが多い場合もあるので、限定承認や相続放棄を選択したい方は期限内に必ず手続きしましょう。

 

*利益が消滅してしまう場合

遺留分侵害額請求、死亡一時金の受取請求、死亡保険金の受取請求は、期限を過ぎてしまうと請求できなくなります。請求しないことでペナルティはありませんが、本来得られるはずだった利益を手放すことになるので気を付けましょう。

 

*延滞分の支払いがある場合

相続税申告は、期限を過ぎると相続税の期限後申告書とともに相続税を納めなければなりません。さらに、納税が遅れた分だけの延滞税も納めなければならなくなります。もし過ぎてしまった場合は、一度税理士に相談しましょう。

 

□まとめ

今回は、相続手続きの各期限についてと、もし期限が過ぎてしまったらどのようなことが起こるのかについて解説しました。期限を過ぎてしまっても大きく不利になることはありませんが、やはり期限内に手続きを済ませましょう。当社は、相続した不動産についてのお悩み解決をサポートします。ぜひご相談ください。

投稿者

  • 久保 元

    宅地建物取引士/管理業務主任者 新卒から建設会社にて、現場監督、注文住宅販売など建築にかかわり、宅建取得とともに不動産営業の世界へ。新築マンション販売では、入社から販売実績を重ね管理職へ昇進。営業マン指導、広告、マーケティング、デザインまで幅広い経験を経て三軒茶屋不動産を起業。地域の賃貸仲介や不動産管理、不動産売買を主たる業務として行い業績を伸ばしております。信頼ある不動産会社をめざして、お客様をサポートさせていただいております。