お知らせ

2024.07.20

相続放棄した土地はどうなる?放棄後の土地のゆくえと管理義務について解説

相続放棄した土地はどうなる?放棄後の土地のゆくえと管理義務について解説

土地の相続に関する問題は、多くの人々にとって避けて通れない課題です。
特に、相続放棄を選択した場合、その後の土地の扱いや管理義務については不安や疑問がつきものです。
本記事では、相続放棄した土地がどのように扱われるのか、また相続放棄後の管理義務について具体的な事例を交えながら解説します。

 

□相続放棄した土地は誰のものになるのか

 

土地を相続放棄するという選択肢を取った場合、その土地は一体誰のものになるのでしょうか。

 

1:他の相続人が引き継ぐ

まず、相続放棄をしたからといって、その土地が誰のものでもなくなるわけではありません。
他の相続人がいれば、その人がその土地を引き継ぐことになります。
例えば、兄弟が三人いる場合、長男が相続放棄をしても次男か三男のどちらかがその土地を相続することになります。
このように、一人が相続放棄をしても他の相続人がいれば、土地の相続権はその人に移るのです。

 

2:全員が相続放棄した場合

では、全ての相続人が相続放棄をした場合はどうでしょうか。
この場合、相続財産は法人化されます。
具体的には、家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任し、その管理人が土地を含む相続財産を管理することになります。
この管理人は、相続財産を整理し、必要に応じて売却などの手続きを行います。
このプロセスにより、相続放棄された土地が放置されることなく、適切に処理されるのです。

 

□相続放棄後の土地の管理義務について

 

相続放棄をした後も、その土地に対する管理義務が残ることをご存知でしょうか。

 

1:相続放棄後の一時的な管理義務

相続放棄をしたからといって、すぐにその土地の管理義務から解放されるわけではありません。
相続財産管理人が選任されるまでの間、相続人全員がその土地の管理義務を負うことになります。
具体的には、土地が荒れ放題にならないように草刈りをしたり、建物があればその維持管理を行う必要があります。
この間の管理義務を怠ると、法的な問題に発展する可能性もあるため、注意が必要です。

2:相続財産管理人の選任

相続人全員が相続放棄をした場合、速やかに家庭裁判所に「相続財産管理人の選任申し立て」を行わなければなりません。
この手続きを経て選任された管理人が、相続財産を管理し、処分する責任を負います。
相続人代表者が家庭裁判所に申し立てを行い、管理人が選定されることで、相続人はようやく土地の管理義務から解放されるのです。

 

□まとめ

 

相続放棄を選択した場合の土地の扱いについて理解が深まったでしょうか。
相続放棄をしても他の相続人がいれば、その人が土地を引き継ぐことになります。
そして、全員が相続放棄をした場合には、相続財産は法人化され、相続財産管理人が選任されることになります。

しかし、相続財産管理人が選任されるまでの間は、相続人全員が土地の管理義務を負うことを忘れてはいけません。
相続放棄後の手続きを適切に進めることで、不安や疑問を解消し、安心して手続きを進められます。

投稿者

  • 久保 元

    宅地建物取引士/管理業務主任者 新卒から建設会社にて、現場監督、注文住宅販売など建築にかかわり、宅建取得とともに不動産営業の世界へ。新築マンション販売では、入社から販売実績を重ね管理職へ昇進。営業マン指導、広告、マーケティング、デザインまで幅広い経験を経て三軒茶屋不動産を起業。地域の賃貸仲介や不動産管理、不動産売買を主たる業務として行い業績を伸ばしております。信頼ある不動産会社をめざして、お客様をサポートさせていただいております。