2024.02.13
相続放棄できないケースはあるの?相続放棄をする際のポイントも解説!
相続では多くの方が理解しにくい難しい手続きを行う必要がありますが、相続放棄を行う際、相続放棄できないケースを知らずに、不適切な行動を取ってしまう可能性があります。
本記事では、相続放棄ができない状況を明確にし、それに応じた対策について紹介します。
□相続放棄できないケースとは?
ここでは、相続放棄が認められない主な3つのケースについて、具体的に見ていきましょう。
1.財産の使用や処分
相続財産を使用したり処分したりすると、相続を承認したとみなされます。
例えば、故人の銀行口座からの引き出しや、不動産の売却などがこれに該当します。
相続放棄は全ての財産に対する放棄を意味するため、財産の一部でも使用してしまうと、家庭裁判所での相続放棄の申し立ては原則として受理されません。
2.遺産分割協議書への署名・捺印
遺産分割協議書に署名・捺印することは、相続人としての地位を認める行為と解釈されます。
また、署名や捺印を行った場合、原則として相続放棄はできなくなります。
協議に参加しても、遺産には触れず、亡くなった方の借金返済義務を負うことがないよう、注意が必要です。
3.知らずに相続を承認してしまう行為
例えば、故人名義の請求書の支払いを行うと、債務の承認と見なされる可能性があります。
これにより、他の債務に対しても承認したと判断されるため、支払いには注意が必要です。
□相続放棄をする際の3つのポイント
相続放棄を行うにあたり、以下の3つのポイントを詳細に理解することが不可欠です。
1.相続財産調査の早期開始
相続が開始されたことを知ったら、速やかに財産調査を行うことが重要です。
これには、故人の全財産の洗い出しを含みます。
預貯金、証券口座、退職金はもちろん、不動産、車、貴重な骨董品も対象になります。
また、借金や税金の滞納も忘れずにチェックしましょう。
2.単純承認とみなされる行為の回避
相続財産に触れる行為は、単純承認と解釈されるリスクがあるため、注意が必要です。
これには、故人名義の口座からの資金引き出し、不動産の売却や賃貸契約の締結、故人の車を使用することなどが含まれます。
また、遺産分割協議に参加し合意することも避けるべきです。
3.遺産の不触及
遺産分割協議や相続財産の処理に関与しないことが重要です。
相続財産に一切触れず、他の相続人や第三者に任せるのが望ましいです。
□まとめ
相続放棄ができない主要なケースには、財産の使用や処分、遺産分割協議書への署名・捺印、知らずに相続を承認してしまう行為が含まれます。
一方で、相続放棄を確実に行うためのポイントとして、相続財産調査の早期開始、単純承認とみなされる行為の回避などが重要です。
これらを理解することで、相続放棄のプロセスを適切に進め、予期せぬ問題に直面することなく、賢明な判断ができるでしょう。