2023.10.23
相続登記の義務化とは?義務が発生しないケースも解説します!
不動産の相続には不安が付きものですよね。
不動産を相続する際には、相続登記が必要不可欠です。
相続登記は令和6年4月1日より義務化されます。
今回は相続登記とは何なのか、相続登記の義務化されることで今までとどう変わるのか、そして相続登記の義務の対象外となる場合について解説します。
□相続登記とは?
相続登記とは、被相続人から相続した自宅やアパートなどの不動産の名義を、被相続人から不動産を相続した相続人に変更する名義変更登記手続きのことを指します。
親や祖父母などから相続した相続財産の中に不動産が含まれている場合は、相続登記が必要です。
相続登記は、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書などの書類を準備し、不動産の所在地を管轄する法務局で申請できます。
この手続きを通じて、不動産の正式な所有者として認められます。
万が一相続する不動産が複数あり、それぞれが異なる地域に位置している場合、各不動産の所在地を管轄(かんかつ)する法務局で、相続登記の申請をする必要があります。
その理由は、各地域の法務局がそれぞれの不動産に対して管轄権を持っているためです。
□相続登記の義務化とは?
相続した土地の価値が乏しかったり、遺産分割が協議されなかったりして、不動産の所有権移転登記がされず、所有者の分からない土地が近年増えてきています。
令和6年4月1日から、相続登記が義務化されることになりました。
相続により不動産を取得した方に、その不動産の取得を認知した日から3年以内に相続登記を申請することが義務づけられました。
この変更は、相続に関する不動産の所有者を明らかにし、相続に関するトラブルを減らすことが目的です。
被相続人が亡くなった日や相続の開始を認知した日と、不動産の取得を認知した日とが異なる場合が考えられるので注意しましょう。
3年という期間は、不動産の取得を認知した日からカウントされるため、単に被相続人が亡くなった日ではありません。
例えば、被相続人が亡くなった後、数か月後に初めて不動産を相続したことを認知した場合、その認知した日から3年間が申請期間です。
また、法律が改正される前に相続した不動産も、相続登記の義務化の対象です。
これは、過去の不動産取得に関する曖昧さや不明確な点をなくす目的があります。
相続登記の義務化が施行される前から不動産の取得を認知していた場合は、法改正の施行日である令和6年4月1日から3年以内に相続登記をする必要があります。
相続登記の期限の確認は慎重に行いましょう。
そして、正当な理由がなく相続登記を怠り、3年が経過した場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
この過料は、相続登記の義務化を徹底するためのペナルティとして設けられています。
□相続登記の義務が発生しない場合もあります!
相続登記の義務化には例外も存在します。
相続の状況や背景によって、一律の手続きが求められないからです。
3つのケースを踏まえて相続の際には適切な手続きを行いましょう。
1.遺言書があった場合
遺言書には、自分の財産の分け方や相続人の指定が記載されていることが多いです。
遺言者が亡くなり、遺言書で自分が不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
2.遺産分割協議が成立した場合
遺産分割協議は、相続人間での合意に基づく遺産の分割方法を決定する協議です。
分割協議の内容を踏まえた相続登記を申請する必要があります。
その相続登記を申請する期限は、遺産分割協議が成立し、自分がその不動産の相続人であることを認知してから、3年以内です。
この協議は、相続人間の意向や相続財産の内容に応じて柔軟に行えるため、遺産の分割に関するトラブルを避けるための重要な手段といえます。
3.法定相続の場合
遺産分割協議が成立しなかった場合、相続人は法定相続に基づいて相続登記をする必要があります。
法定相続とは、民法に定められた相続の順序や相続分に基づいて遺産を分割する方法のことです。
この場合も、相続する不動産があることを認知した日から3年以内に相続登記申請をする必要があります。
法定相続の場合、遺産の分割は民法に定められたルールに従って行われるため、相続人間での協議や合意は必要ありません。
以上のように例外も存在するため、相続の際には相続登記の義務化に関する最新の情報を常に確認することがポイントです。
□まとめ
相続登記は、不動産を相続した際の重要な手続きの1つです。
令和6年4月1日から、相続による不動産の取得を認知した日から3年以内に相続登記を申請することが義務付けられます。
相続の際は、この手続きを忘れずに行いましょう。
また、相続登記の義務化には例外や特例も存在するため、それらのケースに該当する場合は、適切な手続きや期限を確かめ、必要な手続きをすることが大切です。