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2023.12.14

親の遺産を相続する際に部分放棄はできません!しかし部分放棄に代わる方法はあります

親の遺産を相続する際に、一部の遺産だけを放棄する部分放棄はできるのでしょうか。
今回は、部分放棄は可能なのか、部分放棄以外の方法で一部の遺産を相続しないようにする方法があるのかを解説します。
これから遺産を相続する予定のある方は、ぜひ参考にしてください。

◻︎相続で部分放棄は可能か?

相続の部分放棄は、一般的には認められていません。
相続放棄とは、被相続人の財産全体を放棄する行為を指します。
相続放棄をする場合、家庭裁判所への申し立てが必要であり、その期限は相続の開始を知った日から3か月以内です。
このように相続放棄には厳格な手続きがあり、特定の財産だけを選んで放棄することは、法律上許されていないのです。

また、部分放棄が認められると、遺産に含まれる借金の債務について、誰も責任を負わなくなる可能性があります。
その結果、債権者の利益が不当に害される恐れがあるのです。
この点が、部分放棄が認められない大きな理由です。

◻︎部分放棄したい場合の対処方法

一部分の財産のみを相続放棄することは不可能ですが、部分放棄以外で、一部の財産を受け継がない方法があります。
ここでは3つの方法を解説します。

1.遺産分割協議を活用
部分放棄はできませんが、遺産分割協議を通じて特定の財産を放棄する方法があります。
遺産分割協議は、法定相続人全員で遺産の分割について協議する手続きのことです。
遺言書がない場合に、誰が何を相続するのかを決めたり、遺言書がある場合でも遺言書と違う内容の遺産分割をしたりする際に、遺産分割協議をします。
この方法を利用すれば、自分が相続する財産を選べます。

2.限定承認の選択
限定承認とは、相続する債務の範囲を限定できる方法で、プラスの財産の範囲でのみマイナスの財産の債務を負います。
財産を相続した後にプラスの財産よりもマイナスの財産が多いことを知った際に、相続した以上の負債を返済する義務はありません。

3.相続分の譲渡
自分の相続分を第三者に譲渡する方法もあります。
ただし、この方法には債権者からの請求が続く可能性があったり、相続税や所得税が発生したりするため、慎重な検討が必要です。

□まとめ

親の遺産を相続する際に部分放棄ができるようにしてしまうと、負債を相続する人がいなくなってしまうため、部分放棄は認められていません。

しかし遺産分割協議で一部の遺産を自分が相続しないようにしたり、限定承認をしてプラスの負債とマイナスの負債が相殺できるようにしたり、相続分を譲渡したりする方法があります。

投稿者

  • 久保 元

    宅地建物取引士/管理業務主任者 新卒から建設会社にて、現場監督、注文住宅販売など建築にかかわり、宅建取得とともに不動産営業の世界へ。新築マンション販売では、入社から販売実績を重ね管理職へ昇進。営業マン指導、広告、マーケティング、デザインまで幅広い経験を経て三軒茶屋不動産を起業。地域の賃貸仲介や不動産管理、不動産売買を主たる業務として行い業績を伸ばしております。信頼ある不動産会社をめざして、お客様をサポートさせていただいております。