お知らせ

2026.06.01

親が亡くなった後の不動産手続きとは?相続登記の義務化と進め方を解説

親が亡くなった後の不動産手続きとは?相続登記の義務化と進め方を解説

親御様がお亡くなりになり、ご遺族で不動産の名義変更についてお調べのことと思います。
不動産の名義変更、いわゆる相続登記は、2024年4月1日より法律で義務化され、期限内に手続きを行わないと過料が科される場合もあります。
今回は、親御様がお亡くなりになった際の不動産手続きについて、その流れや、知っておくべきポイント、そしてどのように進めていくのが良いかをご説明します。

親が亡くなった不動産手続き

親御様が亡くなられた際、ご自宅や土地などの不動産を相続する手続きは、避けては通れない重要なプロセスです。
近年、所有者不明土地の増加が社会問題となる中、不動産の権利関係を明確にすることは、円滑な社会経済活動の維持や、公共事業の推進においても不可欠な要素となっています。
例えば、インフラ整備や再開発事業を進める上で、権利関係が不明確な土地の買収は大きな障害となり、地域社会の発展を遅らせる要因ともなりかねません。
このような背景から、不動産に関する相続登記が、2024年4月1日より法律で義務化されることとなりました。
この法改正により、不動産を相続した相続人の皆様には、正確な手続きと期限内の対応が求められます。

1.相続登記は義務化された

2024年4月1日より、相続した不動産の名義変更、すなわち相続登記が法律で義務となりました。
これにより、不動産を相続した相続人は、その所有権を取得したことを知ってから3年以内に法務局へ登記申請を行う必要があります。
この「相続開始を知った日」とは、例えば遺言書の発見や、遺産分割協議の開始、あるいはご自身が相続人であることを認識した日などを指します。
この義務化は、2024年4月1日より前に相続が発生した場合でも、まだ名義変更がされていない不動産にも適用されます。
不動産には土地や建物、マンションの区分所有権などが含まれ、これら全ての所有権を明確にすることが目的です。
これにより、不動産取引の透明性が高まり、権利関係の混乱を防ぐことが期待されています。

2.名義変更しないと過料がかかる

相続登記の義務化に違反し、正当な理由なく期限内に名義変更を行わなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
例えば、相続人全員の所在が不明、遺産分割協議が長期化しているといった事情がある場合は、その旨を法務局に相談・申告することが重要です。
不動産を放置せず、速やかに手続きを進めることが大切です。
過料の可能性だけでなく、不動産の売却や担保設定が困難になる、固定資産税の納付義務者が不明確になるといったリスクも生じます。
さらに、長期間放置されると、第三者による時効取得の対象となる可能性もゼロではありません。

不動産の名義変更手続きの流れ

不動産の名義変更、つまり相続登記の手続きは、いくつかの段階を経て進められます。
まず、誰が不動産を相続するのかを明確にし、その後、法務局への申請、そして必要書類の準備と提出という流れになります。
この一連の流れを理解することで、手続きをスムーズに進めるための道筋が見えてきます。

1.遺言や遺産分割で相続人を決める

まず、誰が不動産を相続するのかを決定します。
遺言書がある場合は、その内容に従って相続人が決まります。
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、不動産を引き継ぐ相続人を一人、または複数決定します。
遺産分割協議は、相続人全員の合意形成が不可欠であり、一人でも反対すれば成立しません。
話し合いでまとまらない、あるいは遺言書がない場合は、法定相続分に従って相続することも可能です。
法定相続分とは、配偶者がいる場合、子のみの場合、あるいは親が相続する場合など、民法で定められた相続人の権利割合のことです。
例えば、配偶者と子が相続する場合、配偶者が2分の1、子が残りの2分の1を均等に分け合うといった形になります。

2.法務局へ登記申請を行う

相続人が決まったら、不動産の所在地を管轄する法務局へ登記申請を行います。
申請書には、登記原因(相続)、登記の目的(所有権移転)、相続する不動産の詳細情報や相続人の情報などを正確に記載する必要があります。
申請は、法務局の窓口、郵送、またはオンラインでも行うことが可能です。
なお、登記申請には登録免許税という手数料もかかります。
この税額は、不動産の固定資産税評価額に基づいて計算されます。

3.必要書類を揃える

登記申請には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍なども含みます)、相続人の戸籍謄本、固定資産評価証明書など、様々な書類が必要となります。
これらの書類は、戸籍の取得や証明書の発行元など、それぞれ入手先が異なりますので、事前に確認しておきましょう。
不動産の権利証(登記識別情報)や、遺言書、遺産分割協議書なども必要になります。
書類によっては有効期限があるものもありますので、早めの準備が肝心です。
特に、戸籍関係の書類は、転籍や改製を繰り返している場合、出生から死亡までを追うために複数の役所から取得する必要が出てくることもあります。
また、不動産の権利証が見当たらない場合は、別途、買替保証制度などを利用した手続きが必要になることもあります。

不動産手続きの進め方と相談先

不動産の手続きは、相続人間の協力や、専門的な知識が必要となる場面があります。
円滑に進めるためには、手続きの進め方を理解し、必要に応じて適切な相談先を選ぶことが重要です。
不動産以外にも、預貯金や株式などの名義変更も必要になる場合があり、相続財産全体の把握と、それに伴う手続きの全体像を理解することが大切です。

1.期限内に手続きが難しい場合の対応

相続人の確定に時間がかかる、遺産分割協議がまとまらないなど、やむを得ず3年の期限内に相続登記が難しい場合があります。
そのような場合は、「相続人申告登記」という制度を利用することで、ひとまず名義変更の義務を果たした扱いになります。
これは、不動産について自分が相続人であることを法務局に申し出る手続きです。
相続人申告登記は、あくまで相続人であることを法務局に届け出る制度であり、不動産の所有権が相続人に移転する登記とは異なります。
この制度を利用することで、相続の開始及び遺贈により不動産を取得したことを知った日から**2年以内**に法務局へ申告すれば、3年という期限内に義務を履行したことになり、義務違反とはみなされなくなります。
ただし、最終的な所有権移転登記は、別途、遺産分割協議の成立などを待って行う必要があります。

2.専門家への相談も有効

不動産の名義変更手続きは、必要書類の収集や書類作成など、専門的な知識が求められる場面があります。
特に、相続関係が複雑な場合や、手続きに不安を感じる場合は、司法書士などの専門家に相談することが有効です。
司法書士は登記手続きの専門家として、書類作成や法務局への申請代行を依頼できます。
また、遺産分割協議が紛争化している場合は弁護士、相続税が発生する場合は税理士といった、必要に応じた専門家への相談も検討しましょう。
専門家は、複雑な状況にも対応し、スムーズな手続きをサポートしてくれます。
依頼する際は、事前に費用や対応範囲などをしっかりと確認することが重要です。

まとめ

親御様がお亡くなりになった際の不動産手続き、すなわち相続登記は、2024年4月1日より法律で義務化され、相続開始を知ってから3年以内の手続きが必要です。
期限内に対応しない場合、10万円以下の過料が科される可能性があり、不動産を放置することによる他のリスクも考慮する必要があります。
手続きの基本的な流れは、まず遺言や遺産分割協議によって相続人を確定させ、必要な戸籍謄本や固定資産評価証明書などの書類を収集・準備した上で、不動産の所在地を管轄する法務局へ登記申請を行うというものです。
相続人の確定や遺産分割協議に時間を要するなど、やむを得ず期限内の登記が難しい場合には、「相続人申告登記」を利用して義務履行の扱いとすることも可能です。
ただし、これはあくまで申告であり、最終的な名義変更は別途必要となります。
不動産の名義変更手続きは、必要書類の収集や複雑な法的手続きが伴うため、相続関係が複雑な場合や、ご自身での対応に不安を感じる場合は、司法書士といった専門家への相談を積極的に活用することをお勧めします。
専門家は、手続きを正確かつスムーズに進めるための強力なサポートを提供してくれます。

投稿者

  • 宅地建物取引士/管理業務主任者 新卒から建設会社にて、現場監督、注文住宅販売など建築にかかわり、宅建取得とともに不動産営業の世界へ。新築マンション販売では、入社から販売実績を重ね管理職へ昇進。営業マン指導、広告、マーケティング、デザインまで幅広い経験を経て三軒茶屋不動産を起業。地域の賃貸仲介や不動産管理、不動産売買を主たる業務として行い業績を伸ばしております。信頼ある不動産会社をめざして、お客様をサポートさせていただいております。

    View all posts