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2026.08.01

賃貸での退去立会いとは?当日の流れと失敗しないための準備を解説

賃貸での退去立会いとは?当日の流れと失敗しないための準備を解説

賃貸物件を退去する際、多くの方が経験するのが「退去立会い」です。
これは、入居していた部屋の状態を貸主と借主が共に確認し、今後の手続きを進めるための重要なステップとなります。
新居への期待とともに、退去時のあれこれに不安を感じることもあるかもしれません。
この立会いでは、どのようなことが行われ、どのように進められるのでしょうか。
円滑な退去のために、事前に知っておきたいポイントを確認していきましょう。

賃貸物件の退去立会いとは

借主と貸主が部屋の状態を確認する

賃貸物件を退去する際には、貸主(またはその代理である管理会社や、場合によっては建物のオーナー自身)と借主が立ち合いのもと、入居していた部屋の状態を実際に、詳細に確認する作業が行われます。
この確認作業は、単に部屋を「見る」だけでなく、入居期間中に生じた変化を客観的に評価し、記録するための重要なプロセスです。
具体的には、壁紙の擦り傷や汚れ、画鋲の穴の有無、床材のへこみや傷、天井のシミ、窓枠やサッシの破損、ドアの摩耗、さらにはキッチン周りの油汚れや水垢、シンクの傷、バスルームのタイルのカビや水垢、浴槽の傷、トイレの汚れ、洗面台の状態、収納内部の傷や汚れ、玄関ドアの傷、バルコニーの状況など、部屋の隅々までチェック項目は多岐にわたります。
エアコンや給湯器、換気扇といった設備機器の動作確認や、照明器具、コンセント、スイッチ類の破損なども確認対象となり得ます。
この綿密な確認作業の主な目的は、退去後の原状回復義務の範囲を正確に特定し、それに伴う費用の負担について、貸主と借主との間で認識のずれが生じないように、双方の合意形成を図ることです。
将来的な金銭的なトラブルを防ぐためにも、この段階での確認は極めて重要となります。

修繕箇所の費用負担を話し合う

部屋の状態確認のプロセスで、修繕やクリーニングが必要と判断される箇所が複数見つかった場合、その原因や損傷の程度に応じて、誰が、あるいはどの程度その修繕費用を負担するのかが具体的に話し合われます。
この費用負担の決定は、賃貸借契約における「原状回復義務」の範囲に基づいて行われます。
一般的に、賃貸物件の原状回復においては、入居期間中に生じた、通常の使用に伴う損耗、あるいは時間の経過による自然な劣化(これを「経年劣化」と呼びます。
例えば、家具の設置によって生じた床のわずかなへこみ、壁紙の自然な日焼け、日常的な使用による壁紙や床の摩耗など)については、大家さんや管理会社といった貸主側がその費用を負担することになります。
これに対し、借主の故意(意図的に行ったこと)や過失(不注意や管理不足など)によって生じた損傷や著しい汚損については、借主がその修繕費用を負担することになります。
例えば、ペットによる壁紙のひっかき傷、タバコのヤニによる壁紙の広範囲な変色、不注意でつけた大きな傷や穴、結露対策を怠ったことによるカビの発生などが、借主負担と判断される典型的な例です。
国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」も、この線引きを判断する上での参考となります。
退去時に預けている敷金は、この原状回復にかかる費用や、未払いの賃料などに充当されるのが一般的です。
修繕費用が敷金の範囲内に収まる場合は、その残額が借主に返還されます。
しかし、もし修繕費用が敷金の額を上回る場合には、借主は不足分を追加で支払う義務が生じます。
この敷金精算の明細については、後日、書面で通知されることが一般的であり、その内容をしっかりと確認することが大切です。

退去立会い当日の流れ

部屋のチェックと鍵の返却を行う

退去立会い当日は、まず、借主が契約に基づき、部屋の全ての家具や家財道具を運び出し、空の状態になっていることを確認した上で、貸主(または管理会社の担当者)と共に部屋全体を巡回しながらチェックを行います。
このチェックは、通常、貸主側が用意したチェックリストに基づいて進行することが多いです。
壁紙の目立つ傷や、フローリングの深いへこみ、水回りの著しい汚れや水漏れの痕跡、エアコンや給湯器といった主要な設備機器の動作状況などが、入念に確認されます。
借主は、このチェックに同行し、気になる点や、入居前から存在していた傷や汚れ、あるいは通常使用によるものだと考えられる損耗については、その場で担当者に伝え、記録してもらうことが重要です。
このチェック作業が全て完了し、確認内容について双方の認識が一致した段階で、部屋の鍵(マスターキー、スペアキー、チェーンキー、メールボックスの鍵など、入居時に受け取った全ての鍵)を貸主(または管理会社)に返却します。
鍵の返却をもって、借主は物件の使用権を正式に放棄したことになり、退去手続きは最終段階を迎えます。
原則として、鍵の返却が完了した後は、借主は物件に入室できなくなります。
これは、物件の管理責任が借主から貸主へと移転したことを意味し、セキュリティ上の観点からも、第三者の無断立ち入りを防ぐために必要な措置です。

修繕箇所の責任範囲を決める

部屋のチェック作業の中で、原状回復のために修繕やクリーニングが必要となる箇所が確認された場合、その原因と損傷の程度を詳細に分析し、賃貸借契約書に定められた原状回復義務の範囲内で、どちらがその責任を負うべきかを決定します。
この責任範囲の決定にあたっては、契約書に記載されている原状回復に関する特約事項が重要な判断材料となります。
例えば、壁紙の日焼けや、日常的な使用によって生じた自然な摩耗、家具の設置による床のわずかなへこみなどは、一般的に「経年劣化」または「通常損耗」とみなされ、貸主側が費用を負担することが多いです。
一方で、借主の不注意や管理不行き届きが原因と判断される場合、例えば、壁紙にタバコのヤニが付着して広範囲に変色している場合、ペットが壁や床をひっかいたことが明らかな場合、あるいは不注意によって窓ガラスを割ってしまった場合などは、借主の過失による損傷とみなされ、借主が修繕費用を負担することになります。
判断が難しいケースでは、その場で即断せず、双方で資料(ガイドラインなど)を参照したり、後日改めて協議したりすることもあります。
最終的な決定内容については、確認された損傷箇所、その原因、そして負担者が明確に記載された書類(確認書や明細書など)に署名・捺印することが一般的です。
この書類にサインする前に、内容を十分に理解し、疑問点や納得できない点があれば、その場で必ず質問し、解消することが極めて重要です。
不明確なままサインしてしまうと、後々トラブルの原因となる可能性があるため、慎重な対応が求められます。

退去立会い前に準備すること

部屋の掃除と片付けを済ませる

退去立会いの日程が決まったら、事前に部屋全体の掃除と片付けをできる範囲で済ませておくことが、円滑な手続きのために推奨されます。
これは、貸主や管理会社に対して、「入居中に部屋を大切に使用していた」という良い印象を与える一助となるだけでなく、日常的な掃除で落とせる程度の軽微な汚れについて、それが修繕費用として請求される事態を防ぐためでもあります。
例えば、キッチン周りの油汚れ、浴室や洗面台の水垢、トイレの尿石、窓ガラスの汚れ、ベランダのゴミなどを、普段の掃除に加えて少し丁寧に清掃しておくと良いでしょう。
ただし、退去立会い後の原状回復工事では、通常、専門のクリーニング業者による徹底的なハウスクリーニングが行われます。
そのため、借主が過度に神経質になり、専門的な洗剤や道具を使って完璧な掃除を目指す必要はありません。
日頃から整理整頓を心がけ、目につく汚れやゴミがあれば、それを落としておく、といった程度で十分です。
むしろ、無理をして大掛かりな掃除を行い、かえって部屋を傷つけてしまうリスクを避ける方が賢明かもしれません。

契約書など必要書類を準備する

退去立会いの日時が決まったら、事前にいくつか準備しておくべき書類や物品があります。
最も重要なのは、入居時に交わした賃貸借契約書です。
この契約書には、原状回復の具体的な範囲や、修繕費用の負担に関する取り決め(特約事項を含む)が詳細に記載されています。
立会い当日に、確認された箇所が契約内容に照らしてどのように扱われるべきかを確認するために、必ず持参しましょう。
また、当日の確認内容について不明な点があったり、説明を求める際に、契約書をすぐに参照できることは、冷静な話し合いを進める上で非常に役立ちます。
加えて、本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)や、確認内容に署名・捺印するための筆記用具(ボールペンなど、消せるタイプは不可)、そして印鑑(認印で問題ない場合がほとんどですが、念のため契約書に記載されている印鑑の種類を確認しておくと安心です)も準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。
もし、入居時にお部屋の状態を写真や動画で記録しているのであれば、それらも持参すると、入居前から存在していた傷や設備の不具合について説明する際の有効な証拠となり得ます。
万が一、貸主側との間で認識の相違が生じた場合に、客観的な証拠として役立つ可能性があります。

まとめ

賃貸物件の退去立会いとは、借主と貸主(またはその代理人)が、入居していた部屋の状態を客観的に確認し、原状回復義務の範囲やそれに伴う費用の負担について、双方の認識を一致させるための、極めて重要な機会となります。
当日は、家具などが搬出された後の部屋を実際にチェックし、その結果に基づいて修繕箇所の責任範囲を決定し、最終的に鍵を返却するという流れで手続きが進められます。
円滑かつ公正な退去手続きを完了させるためには、事前に部屋の掃除を済ませ、賃貸借契約書や本人確認書類、筆記用具、印鑑といった必要書類や物品をしっかりと準備しておくことが肝心です。
原状回復の基本的な原則(通常損耗は貸主負担、借主の故意・過失による損耗は借主負担)を理解し、契約内容をよく確認しながら、不明な点があれば遠慮なく質問し、納得できるまで話し合う姿勢が、退去時の予期せぬトラブルを防ぐことに繋がります。
このような丁寧な対応は、最終的に、借主が気持ちよく次の住まいへとステップアップしていくための、確実な一歩となるでしょう。

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投稿者

  • 宅地建物取引士/管理業務主任者 新卒から建設会社にて、現場監督、注文住宅販売など建築にかかわり、宅建取得とともに不動産営業の世界へ。新築マンション販売では、入社から販売実績を重ね管理職へ昇進。営業マン指導、広告、マーケティング、デザインまで幅広い経験を経て三軒茶屋不動産を起業。地域の賃貸仲介や不動産管理、不動産売買を主たる業務として行い業績を伸ばしております。信頼ある不動産会社をめざして、お客様をサポートさせていただいております。

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