2023.11.20
相続する際に一人に全部の遺産を渡すことは可能?その際にかかる相続税とは
相続税とは、遺産の総額が一定額以上だった場合に発生する税金のことです。
法定相続人の人数によって、相続税が発生する金額の基準である基礎控除額が異なります。
今回は、一人に全部の遺産が渡せるのかどうか、その際に相続税はかかるのかについて解説します。
◻︎一人に全部の遺産を相続させることは可能?
全部の遺産を一人の相続人に相続できるケースは4つあります。
1.相続人が一人しかいない場合
相続人が一人しかいない場合、その人が自動的に全ての遺産を相続します。
例えば、配偶者しかいない、または子どもが一人しかいない場面でよく見られます。
2.他の相続人が相続放棄を選択した場合
複数の相続人がいる状況でも、一人を除いて他の全員が相続放棄すると、残された一人だけが全ての遺産を相続します。
相続放棄は、家庭裁判所に申請することで、遺産に含まれる資産だけでなく負債も相続しない選択です。
3.遺産分割協議で合意した場合
全ての相続人が遺産分割協議で一人に全部の遺産を相続させると合意した場合、その一人が遺産を独占します。
4.遺言書による指示があった場合
遺言書で一人の相続人への相続が指定されていた場合は、指定された一人が全ての財産を相続できます。
◻︎相続税が発生しない場合とは?
一人に全ての財産が相続されると、その分相続税の負担が大きくなることがあります。
相続税は、遺産の総額によってその負担が大きく変わるので注意しましょう。
相続税が発生する基準である基礎控除額は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」の式で求められます。
法定相続人が一人しかいない場合は、基礎控除額は3600万円となり、3600万円以下の遺産の場合は相続税は発生しません。
しかし、相続する遺産の総額が3600万円を超えた場合でも、控除が使える場合は相続税が発生しなかったり、相続税が減額されたりする可能性があります。
配偶者に対する相続税の軽減や未成年控除など、相続税で使える控除があるので自分に当てはまるものはないか確かめてみましょう。
□まとめ
相続人が一人しかいなかった場合や他の相続人が相続放棄した場合は、全部の遺産を一人に相続させられます。
また、法定相続人が配偶者しかいないケースや一人の子どもだけが法定相続人である場合は、3600万円が基礎控除額です。
遺産の総額が3600万円を超える場合でも、未成年控除や配偶者に対する相続税の軽減によって、納める相続税が控除されたりすることがあります。
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