2023.12.16
遺言なしの相続はどうすれば良いの?よくあるトラブルにはどんなものがあるの?
遺言なし状況での遺産相続は、困難と混乱を招く可能性があります。
遺言書がない場合、正しい手続きの知識と、起こりうるトラブルへの対策が必要です。
今回は、遺言なしでの相続手続きをする流れと遺言なしの相続でよくおきるトラブルについて解説します。
□遺言なしで相続する手続きの流れ
遺言なしの状況では、法定相続人による遺産分割協議をする必要があります。
ここでは、その遺産分割協議の基本的な流れについて解説します。
1:相続人調査
相続人の特定は、遺産分割協議の出発点です。
被相続人の戸籍謄本類を取得し、法定相続人を明らかにします。
2:相続財産調査
財産の全容を把握するため、預貯金、不動産、借金などを調査します。
遺産分割協議が終わった後に相続財産を発見してしまうと、遺産分割協議をやり直す必要があったり、負債ごと相続してしまったりすることがあります。
3:相続放棄や限定承認
負債の大きい遺産を相続したくない場合、相続放棄や限定承認の手続きをします。
相続放棄や限定承認は家庭裁判所で相続人になったことを知ってから3カ月以内にする必要があります。
4:遺産分割協議
相続人全員の合意が必要です。
協議が難航する場合、遺産分割調停や審判を申し立てられます。
遺産分割協議が成立するためには、相続人全員の合意が必要ですが、行方がわからない相続人がいる場合は、不在者財産管理人を選任することで、対応できます。
5:相続手続き
遺産分割協議後、遺産の名義変更などの手続きをします。
話合いがうまくいかない場合は、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てましょう。
6:相続税の申告納税
遺産の価額が相続税の基礎控除をこえると相続税の相続税の対象となるので、適切な申告と納税が必要です。
□遺言なしの相続で起こりうるトラブルとその解決方法
遺言なしの状況での相続は、以下のような2つのトラブルが発生する可能性があります。
1:住居の相続問題
遺言がない場合、法定相続人全員が住居の相続について、意見を合わせる必要があります。
住んでいた人が必ずしも相続する必要はありません。
そのため夫が亡くなった場合、妻が相続するのではなく、夫の兄弟姉妹が相続する可能性もあるのです。
2:介護した相続人の取り分問題
被相続人の介護をしていたとしても、遺言書がないと他の人に納得させなければ、遺産の取り分を増やせません。
遺産分割協議での合意が必要ですが、納得が得られない場合は調停や審判に頼るようにしましょう。
□まとめ
今回は、遺言なしで遺産相続をする方法について解説しました。
遺言書なしで遺産相続をする場合は、遺産分割協議をする必要があります。
遺産分割協議書で、遺産の取り分について決まらない場合や納得ができない場合は、家庭裁判所に調停を申込むことで解決しましょう。
また、遺言なしの場合、介護をしてくれていた人の取り分を他の相続者の同意なしには、増やせないので遺言書を作成しておくことをおすすめします。